こんににちは、KOMです。
今回紹介する本は、「人生100年時代あなたが輝くひとりビジネスの準備術 40代で始めるサラリーマン出口戦略」です。
これの前に重めの本を読んでいたので、最近よく考えている出口戦略という単語にひかれて、さくっと読みました。
特に読んでて面白かったのが、「ひとりファブレスメーカー」ということばです。みなさん、ファブレスメーカーという単語を聞いたことがありますか?あまり聞きなれない単語かもしれませんが、実は身近に結構たくさんあります。
ファブレスメーカーとは
ファブレスとは、 fab(工場)less(持たない)という意味で、 ファブレスメーカーとは、工場を持たずして経営している製造業ということです。製造業なのに工場を持たないで、どうやって製品を生産するのかというと、製品の生産はすべて他社に委託します。
ファブレスメーカー自体は、開発や設計、マーケティングを主な業務とします。
通常のメーカーは、生産設備に資金を投入して製造を行いますが、ファブレスにすることで競争力の源泉となる研究開発に資金を集中でき、市場変化にも対応しやすくなるというメリットがあります。
キーエンス(日本)
ファブレス経営で大きな成功をおさめた日本企業がキーエンスです。一貫生産ではなく、製造は国内外の協力会社にアウトソースしたことで、最適な技術や生産ラインを持つ工場を柔軟に選択できるようになりました。
キーエンスは工場を持たない選択により、最先端を走り続けているのです。また、キーエンスは、社員の平均年収が高いことでも有名ですが、その一方で仕事が忙しい会社としても有名です。
無印良品(日本)
身近にあるファブレスメーカーといえば無印良品です。
良品計画は「ブランドではないブランド」というコンセプトで無印良品を立ち上げました。無印良品の製品はこの一貫したブランドコンセプトの下、製造や流通、販売がコントロールされています。無印良品は工場直発注で生産調達していますが、無印良品のためにデザインされたもの以外は扱わず、さらに無印良品のためにデザインされたものは他ブランドで販売することはありません。
無印良品はブランド力を武器に独自性を保つことで他の企業にはない立ち位置を確立しています。
アップル(米国)
海外のファブレスメーカーとして有名な会社は、アップルです。スティーブ・ジョブズは自社製品iPhoneを革新的製品と表現しましたが、それは製品そのものというよりもiPhoneがもたらす付加価値を示します。
iPhoneのデザインや操作性といったハード面だけでなく、ゲームや音楽などのソフトを充実させて顧客にとっての価値を創造したのです。アップルは基本、自社で工程をコントロールしながら、部分的に韓国や台湾のEMS企業に委託しています。これにより品質維持とコストダウンを成功させたのです。
しかし、最近は中国から輸入する製品に高い関税をかけるとトランプ大統領が発表しているため、部品などを輸入しているアメリカ企業はかなり厳しい状況になるようです。
対中関税第4弾、米中小企業「黒字でもいきなり廃業」(日経新聞)
人生100年時代をどう生きていくか
この本では、著者の父親が独立して、ファミリービジネスをしていたという経験から、これから100年時代、どう自分の知識、経験をビジネスにしていくかということをわかりやすく紹介してくれています。
この父親が始めたファミリービジネスが、ひとりファブレスメーカーだったのです。
気づいた今から準備を始めよう
60歳で定年を迎え、これから年金も貰えないし、何年暮らせるんだろうと不安になるのではなく、気が付いた今のうちからサラリーマンをしながらも、今後どうやって働き生活していくかの出口戦略を考えましょう。
まとめ
この本で紹介しているのは、一例ですが、まず、自分が他の人に対して、どんな価値を提供できるのかの棚卸をしてみましょう。
そのうえで、今のうちから小さく初めてみるのが大切です。最近は、副業を解禁している会社も多いかと思います。
自分には、何も提供できるものがないと思っても諦める必要はありません。自分の経験に何があれば価値を生めるかを考え、足りない部分は学習するなどして身に着ければいいのです。
このまま今の会社で働いていくだけでは、将来に不安が残ると思っているあなた。まずは、この本を読んで、自分の提供できる価値の棚卸をしてみましょう。